
皆さま、明けましておめでとうございます。冷え込みの厳しい季節ですが、元気でお過ごしでしょうか?過去30年間の統計によると、意外なことに最も平均気温の低い月は1月なのだそうです。寒さだけでも身体に負担がかかるうえ、この時期は乾燥の激しさも強烈。そして、空気の乾燥は肌荒れや感染症にも直結するため、十分な注意が必要です。今回の更新では、冬の乾燥と病気・トラブルの話をお届けします。
乾燥が引き起こす、いろんなトラブル!?
乾燥によってお肌の水分が不足すると、身体を守るバリア機能が低下して外部からの刺激に弱くなります。そのため、気温の変化・ダニ・ハウスダスト・雑菌など通常時にはなんでもない刺激にも過敏に反応してしまうのです。その上、乾燥した空気の中ではウィルスも水分を蒸発させて比重が軽くなり、浮遊を続けるのだとか。湿度40%以下の空気の中では、ウィルスは30分以上も漂い続けるそうです。しかも、体温が下がると免疫力も低下するため、冬は抵抗力がありません。このような理由から、この時期はトラブルが続出するのです。
【冬のトラブル(1)ニキビ・シワ・シミ】
乾燥によってバリア機能が低下したお肌は、雑菌が繁殖しやすい環境。そのため炎症が起き、1度起きた炎症が治りにくくなります。この炎症がニキビです。また、お肌の水分や皮脂の量が不足するとそれ以上潤いを逃がさないよう角質細胞が増え、角質層のキメが乱れて乾燥ジワができやすくなります。さらに、乾燥したお肌はターンオーバーが正常に行われず、メラニン色素がいつまでも残りシミになってしまうことも。乾燥した冬はしっかり保湿をしなければ、お肌の老化が進んでしまうのです。
【冬のトラブル(2)インフルエンザ】
喉の粘膜はバリア機能をはたしていますが、乾燥した空気の中で過ごしていると粘膜が肌荒れのような状態になります。このような状態ではウィルスが簡単に体内に侵入してしまうため、冬の乾燥した時期にはインフルエンザが大流行するのです。ちなみに、インフルエンザウィルスは感染者の一度のくしゃみで約100万個、咳で10万個が飛び出すため、あらゆる場所で感染する可能性があると言えるでしょう。
【冬のトラブル(3)心筋梗塞・脳梗塞】
乾燥した空気は全身から水分を奪うため、定期的な水分補給をしていないと血液も濃縮されてしまいます。寒さで縮んでしまった血管と水分が足りないドロドロの血液という組み合わせは血圧を上げ、心筋梗塞や脳梗塞を発症する可能性も飛躍的に上昇。命に関わる病気を避けるためにも、湿度の管理を行い、しっかり水分補給をしましょう。
乾燥が老けた印象を強くする!?
乾燥が激しい季節の問題点は、病気のリスクを高めることだけではありません。しっかり対策をしていないと、年齢以上に老けた印象を与えてしまうのです。そして、この時期最も注意したい部位が唇。乾燥した唇は縦ジワを目立たせ、シワの多い唇は老いを連想させます。どんな人でも加齢とともにハリがなくなっていく部位ですが、いち早くトラブルが表れるだけに若い人でも日々のケアが重要。ここでは、唇についてお話しします。
【唇痩せは若々しさを失わせる!?】
30歳を超えると、唇のボリュームは失われていきます。唇は皮膚ではなく粘膜ですが、衰える仕組みはお肌と同じ。年齢を重ねるにつれてコラーゲン量が減少することで痩せていくのです。そして、口周りの筋肉は頬や目元とつながっているため顔全体をたるませ、老けた印象を与えます。そもそも唇は厚い方が若い印象を与えると言われ、若い人たちが「アヒル口」をするのも無意識で唇を厚く見せようとしているのかも!?
【乾燥が唇のシワを増やす!?】
唇を老けさせる原因は加齢だけではありません。乾燥も唇にとって大きな敵。水分が少ない唇はハリや弾力を失い、縦ジワを目立たせます。唇の縦ジワは老いた印象を与える大きな原因ですから、できる限り注意したいところです。ちなみに、唇は皮脂腺(皮脂を出す分泌腺)が少なく非常に乾燥しやすい繊細な部位。お肌以上に気を配る必要があります。
【唇のトラブルを回避するために!?】
まずは湿度を管理し、水分補給を心掛けましょう。この時期はエアコンなどの影響で屋内であっても湿度が低いことも珍しくはありません。また、夏場とは違って水分補給への意識が下がるのもこの時期ならではの落とし穴。意識的に水分を摂ることが大切です。その他、心掛けたいのは口呼吸をしないことと、唇をなめないこと。口で呼吸をしていると口腔内と唇を乾燥させることになり、唇をなめるとその水分の蒸発と一緒に元々あった潤いが逃げてしまいます。また、リップクリームの扱いにもご注意を。そもそも一般的なリップクリームは、唇が乾燥する前に使うものです。荒れに気付いてから使っても効果を見込めません(荒れてしまった場合は医薬品のリップクリームを)。
(まとめ)
冬の厳しい乾燥が、健康や美容におよぼす悪影響をご理解いただけたでしょうか?注意するのは、乾燥に気を配り、お肌や唇の潤いを減らさないよう水分を補給し、体温を下げ過ぎないこと。ぜひ一度試してみてください。