アンチエイジングにも、美容にも、長寿にも。シリカとコラーゲンのお話。


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スキンケアと言えば、誰もが最初に思いつくのがコラーゲン。そして、ビタミンCなどいくつかの栄養成分が体内でのコラーゲン生成を助けることは良く知られています。そこで皆さんに質問です。コラーゲン生成を助ける成分のひとつ「シリカ」をご存知でしょうか?実はこのシリカ、欧米では非常にメジャーなもの。日本では2013年あたりから雑誌などでも取り上げられる機会が増え、配合されたコスメが登場し、美容皮膚科・エステサロンでの施術に取り入れられるようになりました。ところが、まだまだ日本での認知度は低い模様。そこで、今回はシリカとコラーゲンのお話をお届けします。

1. シリカって何!?

シリカとは、二酸化ケイ素または二酸化ケイ素によって構成される物質の総称です。…という説明では難しく感じるかもしれませんが、要はミネラルの一種。ケイ素は酸素に次いで地球上に多く存在する元素だけに、実は非常に身近な存在なのです。人間の身体には水に溶けた状態で存在し、骨・皮膚・爪・髪・血管など体の土台を作る働きをになっています。欧米ではコラーゲンそのものを摂取するより、シリカを摂取することで体内でのコラーゲン生成を促すという考えが主流。シリカだけを摂取し続けても美容・健康が促進されることはありませんが、シリカが不足すれば体内のコラーゲンを有効に使うことができません。

シリカは、コラーゲンを束ね肌に弾力を高める!

人間の真皮は、コラーゲンが網目状の構造を作り、それをエラスチンがつなぎとめることで弾力を生み出しています。そして、コラーゲンやエラスチンを束ねる役割をになうのがシリカ。コラーゲンと結びついたシリカは肌のすきまを接着剤のように埋め、コラーゲンの密度を高めます。これにより、肌の保湿力を高めるのです。弾力を失ったコラーゲンはシミやたるみの原因となるため、欧米では密度を高めるシリカの働きが重視されています。

シリカは、骨の質を高めることでシワを抑える!

骨密度の高低が、美容面でも大きな影響を与えるのをご存知でしょうか?人間の頭蓋骨は加齢と共に下方向に崩れ、眼窩(眼球が入る穴)が拡大していくそうです。この原因は、頭蓋骨の骨量の減少。そして、頭蓋骨が痩せてしまうと頭皮がたるみ、フェイスラインもぼやけてしまうのだとか。顎がやせれば口元のシワが増え、ほうれい線も濃くなります。特に女性は女性ホルモンの減少に伴って骨密度の低下が避けられないと言われているので、放置は厳禁です。そこで注目されるのがシリカの存在。1970年代の研究で、シリカの摂取量と骨密度に密接な関係があることが分かっています。実は骨の約50%がコラーゲンでできていて、真皮の場合と同様にシリカの存在が骨の弾力性を高めるのです。

2. コラーゲンの摂取に励んでいても効果が出ない方は、シリカ不足かも!?

土や岩、植物、水など、自然界の様々なところに含まれるシリカは、私たちにとって身近な成分。そもそも、人間は生まれた時から体内にシリカを保有しています。ところが、何もしなければ加齢と共に減少していくのもシリカの特徴。「コラーゲンの摂取に励んでいても効果が出ない」という方は、シリカが不足しているのかもしれません。また、寿命を延ばすという観点でもシリカは重要。長寿を誇っている世界中の集落では、1リットルの水に平均20ミリグラムのシリカが含まれていたというデータもあります。これは、日本のミネラルウォーターの倍の数値。それだけに、意識して摂取していく必要があると言えるでしょう。では、どのように摂取するのが有効かをご紹介していきます。

現代日本人はシリカ不足!?

残念ながら、シリカは体内で生成することができません。それだけに、食事でこまめに補う必要があるのです。成人の場合、加齢に伴う減少に加えて1日で10ミリグラム消費すると言われているため、シリカ不足を防ぐには1日10~20ミリグラムの摂取が必要。日本の伝統的な食事では無理なくこの数値を摂取できましたが、現代の食事では少し難易度が上がります。精白していない穀物(胚芽や糠の部分があるもの)を食べることが少なくなった現代の環境では、多くの人がシリカ不足におちいっていると考えられます。

シリカを含む食品

シリカを多く含む代表的な食品は以下の通りです。数値は食品100グラム中のシリカ含有量(単位はミリグラム)。シリカは土の中に多く存在するため、穀類やジャガイモなどに多く含まれています。また、下記以外にも、シリカ含有量の多い天然水を購入するのも有効な手段です。

  • きび…………………500
  • 大麦…………………233
  • 小麦…………………160
  • トウモロコシ………20
  • 玄米…………………5
  • 精白米………………0.5
  • ジャガイモ…………200
  • アスパラガス………18
  • 赤かぶ………………21
  • あお海苔……………62
  • ひじき………………10
  • 乾燥わかめ…………7
  • あさり………………2
(まとめ)

今回はシリカの重要性についてお話ししてきましたが、シリカだけを摂取していてもあまり意味はありません。一方、コラーゲンの生成や質の向上を考えると、ビタミンCやシリカの存在は非常に重要。日々蓄えておけば、生成したコラーゲン量以上の効果を発揮することができるはずです。アンチエイジングのためにも、健康や長寿のためにも、コラーゲンと共にシリカの摂取にも取り組んでください。