
6月と言えば梅雨の季節。雨や曇りの日が続いて気分が盛り上がらない反面、「湿度が上がって潤うのでお肌にとっては良い季節!」なんてお考えの方も多いのではないでしょうか。しかし、残念ながら実は梅雨の季節はお肌にとって良い環境だとは言えません。今回は、梅雨の時期の肌トラブルと、その対処についてのお話です。
合間にのぞく日射しが恐い!瞬間的な紫外線は6月が最強!?
2017年の北半球の夏至は6月21日。太陽の高度が最も高くなる日です。紫外線はオゾン層や雲、大気中の浮遊微粒子が吸収して地表に降り注いでいますが、真上から照射される紫外線は大気層を通過する距離が最も短くなります。つまり、太陽高度が高い夏至前後の紫外線は大気層で軽減される量が少なく、強烈だということ。雨や雲で油断しがちですが、今の時期は瞬間的に最も強い紫外線を浴びる可能性があるのです。そして、この油断が後々大きな後悔につながることも…。ある日突然できたシミは、直前に浴びた紫外線が原因ではありません。シミとは、生まれてから浴び続けてきた紫外線が積み重なって出てくるもの。うっかり紫外線を浴びてしまうことを繰り返していると、数年後に泣くことになるかもしれないのです。
まずは、紫外線の種類を理解しましょう!
紫外線にはA・B・Cの3種類の波長があります。紫外線Cは最も有害な紫外線。ただし、オゾン層で吸収されるため、地表にはほとんど到達しません。紫外線Bは短時間浴びるだけでも肌に強い作用をもたらす紫外線。太陽から届く紫外線量の1割しかないものの、日焼けによる炎症や色素沈着を起こし、シミの原因となります。ただし、雲やガラスを通り抜けることができないため崩れた天気の日や室内にいる時はあまり影響を受けません。最後に、紫外線Aは紫外線量の9割を占める紫外線。強い作用はないものの、年間を通して増減が少ないため常に注意が必要です。また、紫外線Aは雲や窓ガラスを通り抜けるのも大きな特徴。対策をしないと長い期間をかけて少しずつ蓄積されていきます。
SPFとPAを使い分けていますか?
日焼け止めに表記されている「SPF」や「PA」の意味はご存知でしょうか?SPFとは紫外線防御効果を意味し、紫外線Bを防ぐ指標です。数字が大きいほど効果が高く、最も効果の高いものは「50+」と表示されています(注:ここで言う効果とは、持続時間のこと。数値の高いものがより強い日差しに対抗できるということではなく、日焼けが始まるまでの時間を延ばすことができるという意味です)。一方、「PA」は紫外線Aを防ぐ指標。「PA+」「PA++」というように「+」が付くほど効果が高く、「PA++++」が最も効果の高い製品です。このように紫外線Aと紫外線Bによって指標が違うため、TPOに合わせて使い分けることが重要です。美容関連のコラムなどで「朝起きたらまず日焼け止めを!」と注意喚起していることがありますが、これは「室内にいる時でも入って来る紫外線Aを防ぐため」の注意です。外出する予定のない日に、紫外線Bを防ぐ「SPF」値の高い日焼け止めを塗って肌に負担をかける必要はありません。
雨のおかげでお肌が潤うってホント!?
湿度が高い梅雨は、放っておいてもお肌が潤うと考えがち。しかし、それは大きな間違いです。湿度の高い環境で汗をかくと蒸発しにくく、お肌の表面にそのまま残ることになります。これがベタつきやテカりを生み出し、メイクがくずれる原因に。また、ベタついたお肌はホコリや汚れを付着させ、毛穴をつまらせることも。もちろん、ニキビなどの肌トラブルにもつながります。しかも、梅雨の時期は気温も高く、汗をかきやすい環境。何も対策しないでいると、後々後悔することにもなりかねません。
紫外線を浴びたお肌と、その対処。
お肌が紫外線を浴びると、体内に活性酸素が発生します。そして、活性酸素は体内のコラーゲン繊維にダメージを与え、その構造を破壊。変性したコラーゲン繊維は新陳代謝が鈍くなり、老化を進めていくのです。これがいわゆる「光老化」。代謝が鈍く古いコラーゲン繊維しか存在しないお肌は水分を保つことができず、シワも増えていきます。また、紫外線に対抗するため作られるメラニン色素はシミの原因です。健康なお肌であればターンオーバーによってメラニン色素は表皮に押し上げられ、最後はアカとなって排出されますが、新陳代謝が鈍くなったお肌ではいつまでも残ります。これがシミやソバカス。コラーゲンの変性は、シミの原因にもなるのです。うっかり紫外線を浴びた場合は、体内でのコラーゲン生成を心掛けましょう!
まとめ
梅雨の紫外線は非常に強い。湿気が高い時期でも健全にお肌が潤っているわけではない。浴びた紫外線はコラーゲン繊維を破壊し、シミやシワの原因になる。お肌を老化させないためにも、体内でのコラーゲンの増加を心掛けましょう。……などなど、梅雨の時期に注意したいこと、心掛けたいことをご理解いただけたでしょうか?もし、うっかり紫外線を浴びてしまった場合でも、一発解消は狙わないようにしてください。効果の高い化粧品などは、その化粧品そのものが刺激となることもあります。根気よく、体内のコラーゲンを増やしていきましょう。