2015年の最新アンチエイジング情報と、専門医が進める王道!?
美容やダイエット、アンチエイジングに関する情報は、日々進化しています。新しいエステ方法や化粧品、美容機器は新しい手法・製品が次々と誕生し、耳に(目に)するたびお試しになっている方も多いでしょう。また、それらの根拠となる医学情報・研究結果も日々発信されています。今回は、それら新しい手法・製品・情報とどう付き合っていくのかをお話ししたいと思います。
1. 2015年2月の、美容に関係しそうな最新医学情報。
直接的につながるものばかりではありませんが、美容やアンチエイジング(またはその関連製品)に関係する研究結果は、日々更新されています。例として、2015年2月下旬に発表された2件の研究結果をご紹介しましょう。
3日に1度の紅茶60杯が、美容の土台を作る!?
2015年2月24日、米医学誌ネイチャーメディシン電子版に大阪大学などの研究不グループが「TF3という紅茶の成分を摂取することで骨粗鬆症の改善につながる」という論文を発表したそうです。簡単にお話しすると、これは「骨密度がスカスカになる病気の骨粗鬆症を、紅茶を飲むことで改善できるかも」という情報。頭蓋骨の老化が見た目の老化に関係するという研究もあり、アンチエイジングの観点では骨粗鬆症の改善方法が生まれるのは朗報だと言えます。ただし、現時点での研究結果では、体重60キロの人が3日に一度、60杯の紅茶を飲む必要があるとのこと。TF3は苦味成分であるカテキンの一種であり、相当苦い紅茶を大量に飲むことが課せられるそうです。また、カフェインの大量摂取は身体に決して良くないため、単純に実践すると他の部分に害が発生するでしょう。今後のサプリメントの開発に期待、というところでしょうか!?
まつ毛の機能が解明!?メイク術はこのままで良いの?
2015年2月25日、米ジョージア工科大学の生物学者チームがまつ毛の存在理由に関する研究発表を英国王立協会の学術誌「Journal of the Royal Society Interface」に発表したそうです。意外なことに、これまでまつ毛の存在理由は分かっていなかったのだとか。専門家たちは様々な仮説を提唱し、長年議論を闘わせてきたそうです。今回の発表で突き止められたのは「空気中に浮遊する微粒子、細菌、ウイルス、ダニなどから目を保護するため、まつ毛は目の周囲の気流の向きを変えている」ということと「眼球表面の保護膜(涙)が乾燥することを防ぐ」ということ。目の周囲の空気の流れを変えることで微粒子の蓄積と涙の蒸発を最大50%防いでいるのだそうです。そして、まつ毛が機能しないとドライアイに起因する目の感染症にかかるリスクが高くなるのだとか。この結果を受けて、まつ毛メイク術のトレンドが変わっていくのでしょうか!?
2. 専門医が推奨するのは、王道を進むこと。
ご紹介したように、新しい研究結果が続々と発表されています。とはいえ、個人では対応のしようのないものばかり。まつ毛の機能を活かしつつ、現代の美の基準に合わせたメイクを個人で編み出すのは不可能でしょう。専門医たちは、どう考えているのでしょうか?答えは、王道を進むということだそうです。昔から「体に良い」とされてきた美容・養生術を地道に続けることこそが、抗加齢医療の最前線で推奨されているのだとか。若さを保つためには、「バランスの良い食事」「適度な運動」「規則正しい生活」「生きがいを持つ」を満たすことが、結局いちばんの近道なのだそうです。
バランスの良い食事
肉や魚、野菜、果物、海藻、豆、きのこなど、1日30品目以上を毎日食べることが理想です。とはいえ、現実的にそれが可能な現代女性は少ないことでしょう。まずは、美肌三大栄養素(たんぱく質・ビタミンA・ビタミンC)を意識した食事メニューにしてみましょう。また、食べ過ぎにも要注意。食べ過ぎは消化やホルモン分泌を担当する器官が疲弊するので、「腹8分目に医者いらず」という昔ながらの言葉は正しかったと言えるでしょう。30歳を過ぎたら8分目、40歳を過ぎたら7分目を心掛けてください。
適度な運動
筋肉に負荷をかける運動をすると、脳から成長ホルモンが分泌されます。これは、運動によって発生した乳酸を除去し、筋肉を再生するため。そして、ホルモンが分泌されると脂肪燃焼が促進され、身体が引き締まっていきます。適度な運動は活性酸素を除去し、血管を刺激することで身体のすみずみまで酸素や栄養素を運び老廃物を回収するため、アンチエイジングにもつながるのです。ちなみに、1日6000歩以上のウォーキングが理想なのだとか。
規則正しい生活
特に睡眠中はホルモンの分泌が活発になります。規則正しく寝起きすることが、アンチエイジングにも健康維持にも重要。睡眠が不足して成長ホルモンの分泌が不十分な時は、身体は他のホルモンで代用します。その結果、身体のバランスが乱れてしまうのです。ちなみに、理想の睡眠時間は人それぞれ。1980年代に行なわれたアメリカの研究では、1日6.5時間~7.5時間の睡眠を取る人が最も死亡率が低かったそうです。
生きがいを持つ
美しさを保つためには、脳の維持も大切です。しかし、大脳の神経細胞は30歳を過ぎると毎日10万個以上が死んでいくと言われています。何の手も打たずにいると、どんどん老化が進んでいくのです。脳の老化を防ぐためには、栄養の補給・運搬が必要なのはもちろんですが、何よりワクワクしたり、好奇心を持って楽しく過ごすことが重要。細胞分裂が活性化するためです。毎日同じことに繰り返しをするのではなく、常に新しいチャレンジをして脳に刺激を与えましょう。
(まとめ)
美容やアンチエイジングへの意識が高い人は、様々な情報を日々得ていることでしょう。しかし、最新の手法や製品を手にする一方で基本がおろそかになるようでは、結果的に目的から外れていくと専門医は言います。最新情報に一喜一憂するのではなく、基本を押さえつつ少しずつ新たな方法を試してみるのが良いのではないでしょうか。どうぞご注意ください。