食事によるコラーゲン摂取のメカニズム!?料理のレシピもご紹介します!


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夏が終わって涼しくなり、食卓にお鍋が並ぶ季節になりました。飲食店を比較・紹介するサイトでも、お鍋のお店が活気づく頃でしょう。ところで、例年「コラーゲンたっぷり!○○鍋」なんて見出しが目に付きますが、「コラーゲンを経口摂取(食事による摂取)しても意味がないんじゃないの!?」なんで思っていませんか?今回は、今回は食事とコラーゲンの関係からレシピまでご紹介します!

1.まずはおさらい。コラーゲンとは!?

コラーゲンとは、アミノ酸が数千~数十万結合したタンパク質の一種。弾力性があり、細胞と細胞を結ぶ働きを持っています。肌のハリを保ち(真皮の約70%がコラーゲン)、関節を滑らかにし、血管をしなやかにするのがコラーゲンの役割。その他、髪の毛にハリを与え、爪を丈夫にする作用も担っています。つまり、体内のコラーゲン量が多ければ、若々しい肌を維持できるというわけです。しかし、年齢と共にその量は減少し、質も低下していきます。簡単に言ってしまえば、質の高いコラーゲンをたくさん体内に蓄えていれば若々しい肌を保つことができるため、外部からの補充をみんなが求めているということです。

食事で取り込んでも意味がない!?コラーゲンの経口摂取

食事によって体内に取り込んだコラーゲンは、コラーゲンのまま吸収されるわけではありません。コラーゲンは分子が大きすぎるため、アミノ酸にまで分解され胃や腸で吸収されることになります。そして、アミノ酸はコラーゲンの材料になりますが、必ずしも皮膚のコラーゲンになるとは限らないのです。コラーゲンは30種類以上あり、皮膚はもちろん骨にも血管にもなりえます(人間の身体は足りないものを補充しようとするため、身体の状況次第でどのコラーゲンになるのか分かりません)。つまり、食事によってコラーゲンを体内に取り込んでもその材料を蓄えたに過ぎず、材料がどこに使われるかは運次第。お肌のハリに直結するとは限らないのです。

低分子化したコラーゲンが、線維芽細胞を刺激する!?

食事では、目的に合うコラーゲンを意図的に増加させることができません。これらを解決したのが、コラーゲンペプチド(コラーゲンを低分子化し、体内で吸収しやすくしたタンパク質。自然界には存在しないため、サプリメントなどでしか摂取できません)です。京都府立大学大学院の佐藤健司教授らの研究チームの論文によれば、経口摂取したコラーゲンの大半はアミノ酸に分解されるものの一部はペプチドのまま体内に残ります。そして、血中のコラーゲンペプチドは線維芽細胞(皮膚でコラーゲンやヒアルロン酸を産生する細胞)に信号を送り、それによってコラーゲンが増加するのだとか。コラーゲンを生み出す原材料として摂取するのではなく、線維芽細胞を刺激することで体内でのコラーゲン生成を促すのです。

2.それでもコラーゲン料理を求める方へ、家庭でできるコラーゲン料理!

通常の食事によってコラーゲンを増やすことが極めて難しいことはお分かりいただけたでしょう。これらの情報は、美容雑誌や書籍、インターネットでもよく取り上げられているので、ご存知の方も多いと思います。しかし、その一方で興味深い(複雑な女心を表している?)データがあります。25~39歳の女性500人を対象にしたある調査で、「コラーゲンが含有された商品を食べ物や化粧品で摂取しても効果がないという情報を聞いた事があるか」という質問に対して約43%の人が「聞いた事がある」と回答しました。その上で「コラーゲン摂取よって美容的効果を感じたか」の質問に対して約52%の人が「感じない」と答えています。つまり、情報でも経験でも「食事によるコラーゲン摂取は無駄」だと知っている人が多数いるのです。ところが、同調査では「コラーゲンの摂取方法」を「食事(鍋)」と答えた人が約25%もいました。「効果を実感できなくても少しでも可能性があるなら…」という心理でしょうか。しかし、頻繁にお店でコラーゲン料理を食べるのはお財布にも優しくありません。お肌への効果があるとは断言できませんが、ここではご家庭でできるコラーゲン(鍋)料理をいくつかご紹介します。

【牛由来のコラーゲン!牛スジを使ったもつ鍋】

コラーゲンを豊富に含む代表的な動物性食品は、豚足・豚バラ・手羽先・鶏皮・牛スジ・牛テールなど。まずはは100g100~150円程度で手に入る牛スジを使ったお鍋をご紹介します。材料は、牛スジ(250g)、生姜(ひとかけ)、ニラ(1束)、キャベツ(半分)、にんにく(ひとかけ)と各種調味料。

1.牛スジ(250g)を1口大に切って、水を張ったお鍋で中火に。煮立って2~3分でざるに上げて洗いましょう。 2.再び牛スジを水を張ったお鍋に。砂糖・白出汁・酒(各小さじ1杯)と一緒に下煮。水分がなくならないよう注意。 3.牛スジが柔らかくなるまで煮た後は冷まします。表面に固まった脂は取り除いてください。 4.牛スジを土鍋に移し、酒・白出汁・みりん・醤油(各大さじ1杯)、塩(少々)、水(2カップ)を入れて煮立てます。 5.ざく切りしたキャベツ・ニラ・薄切りのニンニクを乗せ、蓋をして中火に。沸騰して4~5分で完成!

【魚由来のコラーゲン!鯛ちり】

コラーゲンを豊富に含む代表的な海洋性食品は、スッポンやフカヒレ、ウナギ、エイ、エビ、クラゲ、魚の皮など。ここでは、鯛ちりをご紹介します。鯛のアラは、デパ地下で200~300円くらいで購入することが可能。材料は、鯛のアラ(切り身でも可)、昆布、豆腐、長ネギ、春菊、生しいたけ、塩、ポン酢などです。

1.鯛に薄塩をして30分ほど置きます。これにより水分を抜き、煮崩れを防ぎます。 2.熱湯に通し、氷水へ。鱗や血合いを取り、水分をふき取りましょう。 3.鍋に水を張り、昆布と鯛を入れて沸騰させます(あくは取り除きましょう)。 4.豆腐と長ネギ、生しいたけを投入。お湯の温度が上がるのを待って、春菊を入れます。 5.完成。ポン酢やもみじおろしでどうぞ!

(まとめ)

今回は動物性と海洋性、ふたつのコラーゲン鍋をご紹介しましたが、いかがでしたか?インターネット上にはコラーゲン料理のレシピが色々紹介されているので、気になる方はぜひ調べてみてください。また、手間をかけたくない方には、大手メーカーから300~350円くらいでコラーゲン鍋の出汁が発売されているので、そちらを利用するのも良いかもしれませんね。ただし、美味しいものはカロリーが高い場合があるので、頻繁に食べる場合はどうぞご注意ください。