抜け毛の季節にしっておきたい、薄毛とコラーゲンの話。


bel_nukege 春が「抜け毛の季節」だということを、皆さんはご存知でしょうか?その理由は、春になると寒さに対して働いていた頭皮の細胞が休止するから。また、夏髪に生まれ変わらせるという身体のサイクルも働き、自然と脱毛が増えていくのです。通常であれば夏には戻り、秋にはまた脱毛が増えるはずですが、戻らず薄毛になっていく人もいます。今回のテーマは、薄毛とコラーゲンについて。よく語られる男性ホルモンが原因の薄毛とは違う、男女問わずに起こる薄毛対策についてお話ししていきます。

酵素がコラーゲンを分解すると、
毛穴が無くなる!?

2016年2月、東京医科歯科大学によって発表された研究結果がニュースになりました。それは、加齢による薄毛はコラーゲン量の減少が原因になっているというもの。毛髪を作る毛包幹細胞は、頭皮の中で17型コラーゲンによって保護されています。そして、毛包幹細胞は毛を作る時に細胞分裂を行いますが、その際DNAを傷つけるのです。若い間はその傷も自然回復していきますが、加齢と共に回復力が落ちると酵素の力を借りなければなりません。しかし、この酵素がコラーゲンを分解することが分かりました。コラーゲンの保護がなくなった毛包は頭皮の表面に追いやられ、最後は皮膚から剥がれ落ちます。残ったのは毛穴がなくなった頭皮。薄毛の原因はコラーゲンの減少にあったという研究結果です。

これからの季節は、コラーゲンの減少が進む!?

コラーゲンの天敵と言えるのが紫外線。肌のコラーゲンは真皮にある線維芽細胞で生成されますが、古くなると酵素によって分解され新たに生成されるコラーゲンと交換されます。しかし、紫外線の刺激を受けると分解酵素の量が増え、一方で線維芽細胞の能力が落ちるため極端にコラーゲンの量が減少してしまうのです。紫外線は1年中降り注いでいますが、ピークとなるのは6月前後。しかも、アウトドアを楽しむ機会が増える時期だけに、直射日光を浴びることも多いでしょう。注意して日々を過ごさないと、知らず知らずにコラーゲンが減り、薄毛が進んでしまうのです。

コラーゲンを増やせば、薄毛が改善する!?

薄毛の原因はひとつではないためコラーゲンを増やせば必ず改善するとは言えませんが、薄毛対策になることは間違いありません。ただし、経口摂取(飲食)によるコラーゲン量の増加は難しいとお考えください。コラーゲンは分子量が大きいため、飲食によって取り入れた場合は胃の中でアミノ酸に分解されます。吸収されたアミノ酸は体内で新たなコラーゲンの材料になりますが、コラーゲンは体内のいたる所で使用さるタンパク質。皮膚の他にも血管や内臓、骨、関節、目などにも分布しています。しかも、人間の身体は生命維持が最優先されるので、臓器などに材料が供給されることがほとんど。残念ながら頭皮の優先度は高くないため、簡単にコラーゲンを補給することができないのです。

鍵となるのは、頭皮に直接働きかけるにすること!?

優先順位の低い頭皮のコラーゲン量を増やすためには、ピンポイントで働きかけることが重要だと言えます。この考えを背景にした育毛剤も、近年は注目を浴びているのだとか。対内でコラーゲンを生成する際に重要な役割を果たすのがビタミンCですが、ビタミンCもコラーゲン同様に生命維持が最優先。そこで、頭皮に直接ビタミンCを浸透させる育毛剤が開発されたそうです。いずれにせよ、直接的に頭皮でのコラーゲン生成を働きかけることが重要だと言えます。
まとめ
今回は、薄毛とコラーゲンをテーマにお届けしました。今回のお話は、あくまで予防。毛穴がなくなってしまった頭皮のコラーゲンを増やしても、劇的な効果は望めません。薄毛が少しでも気にかかっている方は、どうか毛包が無くなる前に行動を起こすようにしてください。